- 不動産登記 -
「トウキ」??
「トウキ」と聞いて何を思い受かべるでしょうか…。
「陶器」…?… 「投機」…? 「投棄」…かつては笑い話のようなことが沢山あったものですが、さすがに
近年はこのような話も少なくなりました。
「登記」とはご存じのとおり、不動産(土地・建物)の所在や面積、所有者の住所氏名、その他権利関係を
を登記簿に記載し、公示することによって取引の安全をはかろうとするものです。
一言では不動産の権利(所有権など)を誰に対しても主張できる根拠となるもので、法的には「対抗要
件」などといいます。文字どおり「誰に対しても対抗できる」という意味ですから、不動産取引では、
契約や取引の前後ということではなく、原則として「とにかく登記を先に備えた者が優先する!」という
ことなのです。
「登記」の重要性は昔も今も変わりなく、IT社会にあってもこの事情が変わることはありません。
不動産にまつわる不幸な事件、事故を防ぐためにも、何かの折には是非専門家に相談してほしいと思います。
◆ 登記の種類
では、登記にはどのような種類があるのでしょうか。
法律が定める登記可能な権利は9種(不登法3条)ですが、それが具体的な契約や当事者の行為によって
さらに細分化していきます。
一般の方が、良く経験される一事例を次に紹介してみましょう。
建物を新築した →所有権保存
不動産を相続した →所有権移転
不動産の売買をした →所有権移転
・土地を買ったが第三者の名義にしたり転売したい→「第三者のためにする契約」
「買主の地位の譲渡」などの論理から、直接第三者に移転登記することが可能です。
不動産の贈与をしたい →所有権移転
・婚姻20年を超える夫婦間贈与では、配偶者特別控除等により贈与税負担がない場合が多く、実務ではしばしば
経験します。生前財産処理の一つと言えるでしょう。
・生前に子供名義に代えたい場合、「相続時精算課税」という制度を使えば、贈与税が課税されない場合があります。
遺産の紛争を防ぐため生前に権利を決めておきたい →所有権移転仮登記
・生前に贈与の契約をしますが、その効力を自分の死亡の時と定める方法があります。
「死因贈与」を原因として仮登記をしますが、権利を保全するという意味で有益な手続となります。
不動産を相続した →所有権移転
・何年も放置する事例を見かけますが、時の経過は手続きを複雑、繁雑にします。
速やかな登記手続きが大切なことです。
金融機関から融資を受けた →抵当権設定
・金融機関が代行して諸手続を進めることが多いでしょう。
住宅ローンを完済した →抵当権抹消
・比較的容易な登記手続。ご自分でチャレンジ可能な登記です
住所が変わった →所有権登記名義人住所変更登記
・転勤のある方は避けられないことでしょう。放置しておくと住所移転の証明が難しくなっていきますので、
速やかに変更登記をすることが望ましいことです。
◆ 登記費用
登記をするには「登録免許税」が必要です。収入印紙を貼付して納めますが、税額は法律で決まっており、
実務的に多い登記の一例は次のとおりです。
登記の種類 |
原 因 |
課税標準 |
税 率 |
備 考 |
所有権保存 |
|
不動産価額 |
0.4% |
新築の場合、軽減措置あり |
所有権移転 |
売買・贈与 |
不動産価額 |
2.0% |
特例で土地売買は現行1.3%。中古住宅に
つき軽減措置あり。 |
相続 |
不動産価額 |
0.4% |
|
抵当権 |
設定 |
債権額 |
0.4% |
新築住宅の取得等軽減措置あり |
※抹消登記は不動産個数を基準に一個1,000円
■ ご自分で行う場合に必要なのは、上記の登録免許税だけです。
■ 司法書士が代理人となる場合は別途手数料が必要です。
評価額や債権額(設定額)の多寡にスライドして 加算されますが、概ね手数料は次のとおりです
(事務所によって金額は異なり、相続等では戸籍書類の収集など付随業務 の有無によっても合計額は
違ってきます)
・所有権保存 20,000円~
・所有権移転 35,000~50,000円
・抵当権設定 35,000~50,000円
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